皆さん、こんにちは!
経営改革コンサルタントの李です。

先日、山口産の新鮮なアンコウが一匹手に入ったのでアグチム(韓国料理のアンコウの蒸し煮)に初挑戦。
とってもおいしくできました!

あん肝に旨味が凝縮した唐辛子あんを絡めて頬張ればまさに至福。
食後30分くらい旨味が口に残って唾液も出っぱなしでしたよ。

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本題です。
 

この時期、来期の目標と経営方針を策定している会社は多いのではないでしょうか。
そこで今回は来期目標損益計算書(略して目標P/L)作成のポイントについてお伝えします。
 

すでに目標を設定したよという会社の社長も、期中に改善計画を作成する必要がある会社の社長も併せて参考にして頂ければと思います。
 
 

目標P/Lとは何か?
 

目標P/Lとは経営(特にお金に関する)の設計図です。
希少資源の有効配分という経営用語がありますが、限りある資金を如何に振り分け効率的に利益を上げるのかという経営者の考えを数字に落とし込んだ計画書です。
 

結果としての決算書の見るときの感覚、つまり売上高がいくらでコストがいくらで利益がいくら残ったのかという目線とは違います。
 

しかし、よくあるのが営業部長がまとめた目標売上高から経理部長が組んだ来期経費予算を差し引いた結果の利益を見て、このご時世だしそこそこ黒字ならまぁこれでいいか・・・というパターンです。
 

これでは作る意味が薄いし会社は変わりません。
なぜならば、そこに社長のビジョンと経営情熱が落とし込まれていないからです。
 

ビジョンを描き目標を設定し経営情熱を注いでそれを実現せんとする経営者の姿勢が目標P/Lに反映されているかどうか、これが一つ目のポイントです。
 

次に重要なのは作成手順です。
まず、財務(B/S)の視点から来期いくら「資金」を稼ぐ必要があるのかを決めます。
 

ビジョン実現には資金が必要です。
売上成長の為の出店費用や設備投資、組織強化の為の人材の採用教育費、財務健全化のための借入金の返済など、必要な資金を見積もって来期中に稼ぐべき資金≒「目標営業キャッシュフロー」を決めます。
 

売上発想ではなく資金発想で着手しているかどうかが二つ目のポイントです。
 

次に目標営業キャッシュフローから逆算して「目標営業利益」を決めます。
そして前期実績に対する「販管費削減率」と「目標粗利益率」を決めれば必達目標売上高(ハードル売上高)が決定します。
 

ここで重要なのは販管費削減率と粗利益率の目標設定水準です。
前例や意識の壁を超えて徹底的に引き上げることが重要です。
 

目安として、最低でも営業利益率が5%以上になるように設定しましょう。
業種にもよりますが、中小企業で8%以上ならまずままずの高収益だと言えるでしょう。
 

すると収益性が高まるだけでなく、損益分岐点売上高を低く抑えることができるので経営の安全性も高まります。
結果、必達目標売上高(ハードル売上高)が引き下がり受注プレッシャーも小さく済みます。
 

よくあるのが、間接部門長が利益余力を確保しようと予算コストを多く見積もり目標売上高がかさ上げされるパターンです。
 

営業部門からすれば余計な負担が自分たちにしわ寄せされたとしか思えません。
それが不満でセクショナリズムの種になります。
 

「間接部門もコスト削減に厳しく取り組むから営業部門も頑張ろうね」という配慮が具体的に目標P/Lに表れてこそ、全社一体となって目標営業利益達成に取り組む前提条件ができるのです。
 

最後に今期着地予測の売上高と来期予想市場成長率及び目標シェアなどを考慮しながら「売上高成長率」を決めて目標売上高を決定し、目標営業利益を再調整すれば目標P/Lは完成です。
 

目標営業利益から三つのバリュードライバー(①販管費削減率→②粗利益率→③売上高成長率)を逆算して決めることが三つ目のポイントです。
 
 

以上みてきたように、目標P/Lは必要資金と三つのバリュードライバーさえ決めれば出来上がります。
その構造はとてもシンプルで理にかなった手順であることがお分かり頂けたと思います。
 

しかし重要なのはその根拠です。
コストと売上高の内訳を過去の推移を辿りながら分析し、増減した原因を突き止めることが大切です。
 

これを定量分析といいます。
要は、何が(誰が)、いつ、どこで、どれくらい、なぜといった具合に一つ一つつぶさに調べていくのです。
 

よくあるのが、社長は大枠の数字は把握しているつもりだが詳細のことはよく分っていないというケースです。
 

これをどんぶり勘定と言います。
どんぶり勘定はすべてのミス・ロス、無理・無駄・ムラの根源なので注意しましょう。
 

定量分析以上に重要なのが定性分析です。
要は「現場、現実、現物」を知るということです。
 

金の動きの背後には人の活動があります。
人の活動の根源には人の意思があります。

 

問題に対してなぜその意思決定がなされたのかを社員一人ひとり、お客様一人ひとりに至るまで対話を通じてその原因と心理を突き止めることが重要です。
 

数字の背後に潜む人の活動から意思や心理に至るまでしっかり把握して初めて実現可能な目標P/Lが出来上がるのです。
 

机上の空論では人は動きません。
信頼と尊敬が伴わない地位や肩書による指示では人はやったふりをするだけです。
 

つまり、経営トップが経営者の立場で日々日ごろから三現主義(現場、現実、現物)を徹底していることが重要なのです。
社長自身が現場、現実、現物をしっかり把握しているからこそトップダウンで人を動かすことができるのです。
 

したがってここが成果が出るか否かの最も重要なポイントです。
 
 

以上、目標P/L作成のポイントをお伝えしました。
なるほどと思うところがあればさっそく実践してみてください。
 

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また、私が実践指導で使用している目標P/L作成ひな形シートがあります。
この記事を読みながらシートに従って記入すればスムーズに作成できると思います。

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