実りの秋!
サイクリングの途中、山中で珍しい果物をGETしましたよ。
天然のアケビです。
自然の甘みがとても気に入りました。
今回は、久しぶりにコラムを書きます。
タイトルは、「金利上昇と消費税増税 社長は今何をすべきか?」です。
私は、金融や財政の専門家ではありませんが、
会社経営を取り巻く「外部環境の変化」を経営コンサルタントの視点で綴りましたので参考にしていただければ幸いです。
近年アメリカは景気が良く、程よいインフレ傾向にあります。
景気の過熱を抑え将来のリスクに備える為にFRBは政策金利を段階的に引き上げており、これに伴い市場金利が上昇しております。
これにつられて日本の市場金利も若干高まっています。
実際、日本の10年物国債利回りは、
7月後半まで0.01%~0.03%と言う低い金利で張り付いていましたが、
直近では、0.15%まで上昇してきています。
まだ、低金利に違いありませんが、
注目してほしいのは、桁が一つ変わったと言う点です。
この背景には、日銀のスタンス変更もあります。
少し前に日銀は、マイナス金利政策の副作用を懸念して
少しの上昇なら許容するスタンスに変更しました。
それで市場参加者が日銀の許容範囲を試しに行っており、
その結果、市場金利が上昇しているのです。
ちなみに、この市場金利に連動する形で各種ローンの貸出金利が決まります。
日本は、日銀のゼロ金利政策やマイナス金利政策により、
この20年近く超低金利が当たり前の環境になっています。
この状況で市場金利が数%でも上がれば、
低所得者の住宅ローンや低収益会社の事業者ローンの返済遅延が生じるなど、社会問題が現れ始めると私が信頼する金融筋から聞いています。
日本経済で一番危険なのは、
少しの金利上昇で混乱が生じるという脆い「借入金体質」だと考えます。
さらに言えば、今の環境が当たり前で問題ないと考えている「人の意識」が問題です。
従って日銀は、この先もゼロ金利政策或いはマイナス金利政策を取らざるを得ない。
日銀のコントロールが効く間は、市場金利の変化は思惑の範囲内で収まってくれます。
しかし、市場を完全にコントロールするのは不可能でしょう。
市場金利は、いくら政府や日銀がコントロールしようとも、
超長期で見れば日本の財政と言うファンダメンタルを反映するものです。
実際、日本の財政は今でも悪化し続けています。
・超長期にわたるGDP低迷の問題
・社会保障問題
・農業問題
・医療問題
・労働市場問題
・高い行政サービスの問題
・そして膨らみ続ける国と地方自治体の借入金問題
こうした低収益と高コスト体質、そして受益の不公平問題の存在。
しかし、政府は構造改革を先送りして歳出を増やし続ける一方、
歳入を増やそうと来年10月から消費税を増税する事を表明しました。
政策金利を上げられないと言うのは、景気停滞や低迷を意味し、
消費者がデフレマインドにもかかわらず消費税を上げれば消費者の財布のひもは更に固くなります。
これでは、経済成長は望めないでしょう。
今は、アメリカの景気が絶好調なので、それにつられて輸出や株価が上がっているにすぎず、
この間に構造改革ができなければ、世界経済が冷え込んだときに相当に厳しくなるのではないでしょうか。
なぜなら、財政難の日本は思い切った財政出動ができず、
これ以上の金融緩和(政策金利の引き下げ)の余地※1は限られていると思うからです。
南海トラフ巨大地震は、いつ起きるか分からないが確実に起きることはわかっている。
それと同じく、いつ市場金利が跳ね上がるか分からないが、そうなるマグマは確実に溜まってきているということです。
私は、日本経済の巨大地震の震源地は市場金利の上昇だと考えています。
外部環境がいつ急変してもいいように、このブログをお読みの社長は、自社の労働生産性と収益性の問題に早期に着手され、実質借入金を速やかに減らしていかれることを願っています。
※1
金融緩和には、政策金利引き下げ以外にも量的緩和政策がありますが、
専門分野ではないのでこれ以上のコメントを控えました。