「動機善なりや私心なかりしか。」

 

これは、名経営者である稲森和夫氏が
第二電電(現KDDI)を設立するにあたって
何度も自問自答したという有名な言葉です。

 

世の為人の為に尽くそうという純粋な気持ちで
通信事業に参入しようとしているか?

 

毎晩そのことを自分自身に厳しく問い続けた末に
参入を決断したといいます。

 

そして、この考えに共鳴した社員と一緒に
誰にも負けない努力をしたからこそ今日のKDDIがあるといいます。

 

当時25歳、苦学生だった私は、
なけなしのお金をはたいて受講したセミナーで、
盛和塾の代表世話人だったコンサルタントの方からこの話を聞き、
非常に感銘したことを覚えています。

 

このことをきっかけに
経営者たるもの経営理念を持たなければならないと強く思い続け
今日まで経営指導及び自社の経営を行ってきました。

 

経営理念とは、経営判断の拠り所となる尊いものです。

 

よって、経営理念をもとに重要な意思決定を行えば間違いはない。
しかし、経営理念を離れて私利私欲に走れば会社は傾きます。

 

新規事業の立ち上げと既存事業の撤退。
後継者の指名と自身の引退時期。

 

何のために経営をするのか。

 

経営者とは、このことを自分に厳しく自問自答して
正しい判断を下せる人間でなければなりません。

 

皆さん、こんにちは!
経営改革コンサルタントの李です。

 

前回より数回にわたって、
目標損益計算書についてお伝えしております。

 

(前回からの続きです)

 

全社員が共有すべきゴールとは何か。
繰り返しますが、それは、「営業利益」です。

 

営業利益を上げるためには、
固定費を下げるか、原価を下げるか、売上高を上げるかしかありません。

 

固定費の削減は総務経理以下事務部門が責任を持ち、
原価の削減は工務部門が責任を持ち、
受注アップは営業部門が責任を持って取り組み、
社長及び店長は営業利益に責任を持って管理を行います。

 

つまり、営業利益とは全社員の営業活動の結果です。
したがって、営業利益だけが全社員の「共通目標」となり得るのです。

 

しかし、多くの会社は売上高をゴールに定めています。
実は、これが大きな間違いなのです。

 

特に団塊の世代の社長は、
過去の成功体験から未だに「売上至上主義」という呪縛に捉われている方が多い。

 

売上至上主義とは、
売上さえ上がればすべての問題が解決されると言う考えです。

 

日本列島改造論や所得倍増計画という言葉が流行った高度成長期時代のように、
建設ラッシュに沸いて市場のパイが膨らみ、
経済が右肩上がりで所得も倍増していた時代であれば
売上至上主義でうまくやっていけました。

 

市場が急速に拡大している為、
受注さえ取れれば後は何とかなったのです。

 

しかし、バブル崩壊を境に時代は変わりました。
経済はデフレ(衰退期)に突入して公共投資は激減し、
人口減少を背景に今なお国内市場は縮小を続けています。
ここに来て、なおこの考えを変えなければ一体どうなるか。

 

利益が出なくなる」のです。

 

膨らむコストにメスを入れず、売上高で問題を解決しようとすれば
無理な受注や安易な値上げや値引きを行うようになり、
様々な問題を引き起こして悪循環に陥ります。

 

次回に続きます。

 

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