V字回復の勘所その百十三:
「事業承継失敗の本質的な原因とは? 」

「借入金でやるのか、それとも自己資本でやるのか。即戦力を採用するのか、それとも人財を育成するのか。規模を拡大するのか、それとも価値を創造するか。三流の経営者は、手っ取り早く前者を選びます。本物の経営者は、手間暇かけて後者を選びます。遠回りのようですが、長い目で見れば後者が近道です。」

皆さんこんにちは!
V字回復コンサルタントの李です。

本日は、V字回復の最前線をお届けします。

例えば、あなたが裸一貫から
独立起業を志す創業者だとしましょう。

事業を成功させるためには何が必要か。
まずをもって「技術」が必要です。

お客様が望む、競合他社にない、自社独自の提案。」

これが開発されていない限り、
市場を切り開き顧客を獲得することはできません。

しかし、そのためには気の遠くなるような時間と
血の小便を流すような努力が必要です。

事業を成功させるには、
それに加えて「資金」が必要です。
つまり、資本金です。

今は1円でも株式会社を作れますが、
実際問題、1円しか持たない者が成功することはできません。

仕入れと在庫、売掛金等の運転金。
営業活動や管理に必要なツールや設備等。
そして、万が一に備えた生活防衛資金。

事を起こすには、
それなりの資金が必要です。

資金を得る方法は、手っ取り早く借入金を行うか
コツコツ稼いで資本金貯めるかの二つに一つしかありません。

親の資金援助や信用・担保提供を当てにできるならともかく、
裸一貫で独立起業しようとしているあなたに担保もなく、
信用もなく、借入を行うことは極めて難しい。

結局、必要な資本金を稼いでコツコツ貯めるしかありません。
これがまた、気が遠くなるほど時間がかかる上に辛抱が必要です。

事業を成功させるためには、
更に「組織(チーム)」が必要です。

自分一人でできる事などたかが知れています。
業者さんやその道の専門家の方々の協力無くして
ビジネスは成り立ちません。

事業が軌道に乗れば、社員も必要になってきます。
人を採用して組織を作り管理しなければなりません。

しかし、これが一番難しい。

人を一人前に育てるには、
気の遠くなるような労力と時間がかかる上に、
他人は自分が思うようにならないからです。

ましてや、起業して間もないあなたには、
人を育てる余裕などありません。

そこで即戦力を雇い入れたい所ですが、
会社に信用がないため優秀な人材は集まらない。

結局、能力の乏しい未経験者を雇い入れ
どうにかこうにか育てていくしかありません。

しかし、だからこそ実力が身に付くのです。
ゼロから始めるからこそ、
経営者に必要な資質が否応なし身に付いていくのです。

逆に、至れり尽くせりで
社長の座に就くと人間どうなるか?

勘違い」を起こすのです。

相応の努力と結果を出す事無しに、
地位と報酬だけ高くすれば、
実力が身に付かずにプライドだけが高くなります。

これが、事業承継が失敗する根本的な原因です。

昨今、問題となっている事業承継と後継者教育。

多くの社長は65歳で引退を望んでいます。
そして、後継者に息子を据えることを望んでいます。

そこで多くの社長は、息子の実力に関係なく、
自分の引退時期に合わせて息子の地位と報酬を引き上げます。

全ての不幸はここから始まります。

技術と資本と組織。

生みの苦しみを知らぬ者は、
その価値を正しく認識することができません

生み出す努力を知らぬ者は、自主自立の精神に乏しく
他力本願で問題を解決しようとします。

技術(商品)がなければ安易にフランチャイズを買い、
資金がなければ安易に借入金を行い、
人が足りなければ安易に即戦力を採用しようとします。

会社にとって最も重要な経営資源である
技術と資本と組織。

これを自ら創り出さざるを得ない
厳しい環境の中から這い上がってきた社長。
全てを与えられて御輿に担がれている社長。

その実力の差は歴然です。

かくして、後者は競争力を失い
衰退への道をたどっていくことになるのです。

過去にこのようなことがありました。

その会長(創業社長)は、
自身の引退時期に合わせて息子を社長の座に据え、

長年連れ添ってきた古参の専務を外に出すために
分社を作って分社長に据えました。

その際、
専務にお気に入りのフランチャイズ(商品)を選ばせ、
資金と信用(連帯保証)を提供し、
専務がお気に入りの営業マン(店長)と工務を与えました。

技術、資金、組織。
全てを与えられ設立したこの分社。

初めの3年は、
会長の読み通り利益を上げました。

ところが、勘違いした分社長(専務)が、
4年目以降から少し態度が変わってきました。

自分がやりたいことを
やりたいようにやり始めました。

気に入らない社員をクビにし、
自分のいうことを聞きそうな年配のつまらない者を採用し、

事あることに多額の交際費を使って飲食を繰り返し、
会長に掛け合って自分の報酬だけを引き上げ、

更には、まともな職に就けずにいた自分の息子を会社に入れ
会社を自分のものにしようと画策し、
頃合いを見て会長に反旗を翻そうとしたのです。

しかし、株式の過半数は会長が握っており、
傲慢な分社長に誰もついて行かず、
この目論見は、当然失敗に終わりました。

天狗の鼻になってカネと権力を握ることに勤しみ、
経営を行わなかった結果、組織は内部から崩壊し、
設立5年目にしてついに赤字に転落しました。

借入金でやるのか、それとも自己資本でやるのか。即戦力を採用するのか、それとも人財を育成するのか。規模を拡大するのか、それとも価値を創造するか。三流の経営者は、手っ取り早く前者を選びます。本物の経営者は、手間暇かけて後者を選びます。遠回りのようですが、長い目で見れば後者が近道です。」

冒頭に書いたこの言葉は、
このような実体験に基づいた教訓です。

事業承継にせよ、
成長戦略にせよ、
V字回復にせよ、

戦略やシステムは二の次、
大切なのは「人財教育」です。

では、どうすれば本物の経営者が育ち
会社を永続的に発展させることができるのか。

事業承継と後継者教育の問題に直面した
社長の悩みは次の三つです。

いつになるのか?
安心して通帳と実印を任せられる日。

どうすればいいか?
後継者体制と古参の処遇。

やっていけるのか?
人の問題とカネの問題。

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