V字回復の勘所その百七:
「約束計画は信用信頼の元 その一 」

「愛情と躾が人間を育む。」

経営改善の要諦は人財教育にあります。
人財教育には愛情と躾が欠かせません。

深い愛情で接し、時に厳しくしつけを行う。
すると徐々に人間が変わっていきます。

人財教育には根気が必要です。
長期的な視点で人財教育を行ってください。

すれば、必ず会社を支えるリーダーが育ちます。
そうした人財は、決してお金で買うことはできません。

皆さんこんにちは!
V字回復コンサルタントの李です。

前回に引き続き、V字回復を行うために欠かせない
基本行動についてお話します。

基本行動で次に重要なのが「約束計画」です。

ビジネスとは信用と信頼で成り立っています。
信用と信頼は「約束を守る」事で培われます。
約束を守れない人は、信用と信頼を得ることはできません。

約束は大きなものから小さなものまで様々です。
アポイントの日時と言った小さな約束から、
数千万円や数億円の契約と言った大きな約束まで様々です。

しかし、約束は約束です。
小さな約束だと軽んじて破れば信用と信頼を失い、
大きな契約まで失う事になりかねません。

以前このようなことがありました。
とある会社の後継者の教育を行っていたのですが、
その後継者は毎回待ち合わせ時刻に遅刻して現れるのです。

こちらから携帯にメールすると、
「もう少しして着きます」と言った返信が来ては、
到着するなり言い訳から始まるのが毎回のことでした。

以前はこのようなことはありませんでしたが、
事業承継後に社長に就任してから
急に平気で遅刻をするようになったのです。

初めは私も、社長という役職者に
「時間を守りなさい」と言うのもおかしいと考え、
自分で考えて気づくだろうと何も言わずにいました。

しかし、半年たっても気づかない。
指導を通じて多方面から見るに、
明らかに自惚れが見え隠れしていたので
ピシャリと指摘させてもらいました。

「約束を守れない者は信用信頼を失う」と。

私に対して約束が守れないようでは、
おそらく他の者に対しても守れていないはず。

社長という役職者に基本的な事を申し上げるのは忍びないが、
よく考えて頂きたいと。

社長になれば、
ゴマをするなどへつらう者が寄ってたかってくることがあっても、
厳しいことを言ってくれる人はいません。

すると、多くの後継者達は「裸の王様」になる傾向があります。

この話の顛末はというと、
恥をかいた後継者は怒りの矛先を私に向けて契約を切ることを画策し、
役員に相談を持ちかけたが逆に「社長あなたが悪い」と言われ、
しまいには奥様にも同じこと言われ、
しぶしぶ自分の非を認めざるを得ない状況に追い込まれて、
それ以来遅刻をしなくなりました。

やはり、他の役員も奥様も、
社長に就任してからの自惚れを心配していたようでした。

しかし、この後継者の良い所は、
自分を正して正直に私に話してくれたことです。

「良くないことは素直にやめる事、良いことは素直にやってみる事。」

これが大切です。