V字回復の勘所その五十七:
「原価を削減するうえで、原価管理のPDCAサイクルを回すことはとても重要です。予算組みを行い、予算を実施し、月次決算及び清算を行って現場の改善にフィードバックする。このサイクルをぐるぐるとまわすことで原価が確実に逓減していきます。」
皆さんこんにちは!
薄霧に差し込む暖かい朝日、
ひんやりと澄んだ空気に鳥のさえずり、
池のほとりから飛び立つ美しいカワセミ、
いや~、田舎の空気は最高でした!
V字回復コンサルタントの李です。
V字回復の勘所を連載しています。
今日のテーマは、
「原価を削減するうえで、原価管理のPDCAサイクルを回すことはとても重要です。予算組みを行い、予算を実施し、月次決算及び清算を行って現場の改善にフィードバックする。このサイクルをぐるぐるとまわすことで原価が確実に逓減していきます。」
です。
・Plan:指示予算に従って実行予算を作成する。
・Do:予算を執行する。
・Check:月次決算及び工事清算して差異分析を行う。
・Action:反省して現場改善を行う。
このサイクルをグルグルと回すことで原価が逓減します。
一つ一つ見ていきましょう。
まずは、P:「実行予算」の作成です。
指示予算に従って作成された実行予算は、
担当役員の承認を得て発注段階に進みます。
発注段階に進んだ実行予算は、
購買担当者によって「D:予算執行」されます。
この時、購買担当者は更なる原価削減の可能性を追求します。
価格交渉の余地を見出し、交渉材料を持って原価の逓減に努めます。
次に、工務担当者は「C:月次決算」を行い、
実行予算と決算予測の差異分析を行います。
具体的には、実行予算と決算予測の粗利益を
物件ごとに確認して問題を特定します。
ポイントは、原価の増加要因となる「追加発注」です。
・それは請求できるものなのか、或いは請求できないものなのか。
・請求できない理由は、サービスなのかそれともミスロスなのか。
・請求漏れはないか。
追加発注をこの「三つに区分」して管理します。
そして、問題の原因を分析して反省を行います。
更に、生じたミスロスをカバーする為に、
未発注の実行予算項目に対して
更なる原価削減の可能性を追求します。
完工物件は、「C:工事清算」して反省会を行います。
反省会では、実行予算と実施工事費の差異分析を行い、
気づきを「A:現場改善」に活かします。
このように、原価管理のPDCAサイクルを回すことで
原価が確実に逓減していきます。