予算466億円のアベノマスク。
一昨日に届きました。
ありがたく?頂戴いたします。
コロナ感染拡大によって多くの中小企業が経営危機に瀕しています。
一部、衛生関連用品や巣ごもり消費に対応した業種に特需をもたらしているものの、人と物と金の流れが止まり多くの会社の売上が激減しています。
リーマンショック、東日本大震災と原発事故、1ドル75円30銭まで進んだ円高不況・・・。
過去約10年間、我々経営者は様々な危機に直面してきました。
しかし、今回ほど全国の中小企業がダメージを受ける危機はこれまでありませんでした。
・感染リスクを避けて社員を自宅待機させる。
・生産ラインをストップせざるを得ず製品が作れない。
・資材が入荷せず現場が動かない。
・感染リスクを避けてお客様が来店しない。
このような状況の中、皆が早期のコロナの収束を願いつつできることを行っています。
・営業自粛や短縮営業している会社。
・オンラインでの接客を始めた会社。
・テレワークで業務を始めた会社。
私の近所では作業服を着た男性たちが会社敷地内の草むしりをやっている一方で、事務員らしき女性たちが道路脇にテントを立てて50枚入りマスクを販売している・・・こんな光景も散見しました。
問題はいつコロナ感染が収束するかです。
政府は昨日に一部地域を除き緊急事態宣言を解除しました。
では緊急事態宣言の終了で人の流れと経済活動が直ちに元に戻るのか?
私はその可能性は低いと考えています。
メディアが実際の致死率以上に恐怖を煽るような報道を連日続けた結果、見えないコロナウィルスに対する人々の恐怖心が直ちに払しょくされるとは考えにくい。
安心感が持てるまで、ある程度の自粛行動は続くでしょう。
特に消費の担い手である高齢者と子供を抱える女性の不安は長引くかもしれません。
では、肝心なコロナウィルスの収束はどうなのか。
ISP細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授がおっしゃっるには、コロナウィルス感染の完全収束は人々が感染して集団免疫を作るかワクチンが開発されるかの二つしかない。
しかし、ワクチンが開発され人々に届くには早くとも1年以上がかかるとされています。
その間の政府と人々の対応によっては第二波、第三波の感染拡大も有り得る。
すると、また消費マインドが冷え込み行動が委縮する・・・。
こうした波が大なり小なり生じる可能性は想定しておかなければならない。
また、現在の危機に加えて、円高や金利上昇と言った経営環境の悪化や連鎖倒産による不渡りなど、ダブル、トリプルで何らかのダメージが発生すれば多くの中小企業が倒産の危機に追い込まれるでしょう。
特にもともと財務体質が弱く損益分岐点が高い会社は深刻なはずです。
こうした会社の社長を悩ましている一番の問題とは何か?
それは、売上高の問題はもちろんのこと、
・人件費の問題。
・地代家賃の問題。
・借入元利金返済の問題。
この三つです。
売上が激減して先が見えない中、固定費と借入金返済の負担が経済的にも精神的にも社長を追い込むのです。
こうなることを見込んでか、ロイヤルリムジンのように早期に社員を全員解雇して雇用保険と失業保険の給付を受けさせ、落ち着いてから再雇用するとした会社も少なからずあるようです。
会社は社員の雇用を守ることが当然だとする考え方が根強い日本において、このようなドラスティックな決断は表立って受け入れにくいために一部で議論を醸しています。
ロイヤルリムジンが行った内容の詳細は知りませんので全てを肯定することはできないかもしれませんが、こうした迅速な判断で会社と社員の双方が助かるのであれば、その決断力は賞賛すべきものがあると私は思っています。
決断すべき時に決断できずにズルズルと問題を先延ばして、最後は雇用も守れず会社も倒産させてしまう危機にさらす事こそ愚の骨頂だからです。
経営者に求められる先見性と決断力。
そして、日々のたゆまない経営努力による強固な財務基盤と収益性。
これらが備わっている経営者の会社であれば、今回の危機にも耐え荒波を乗り越えることができるでしょう。
むしろこのような強い会社にとって今回の危機は絶好のチャンスです。
例えば採用。
現在、失業保険や休業手当を貰いながら職を探している人が増えているはずですし、今後もしばらく増えるはずです。
また、今回の事態をきっかけに働き方や転職を検討している人も増えている可能性が高い。
「いい人が来ない・・・」
これは中小企業の大きな悩みの一つですが、多くの労働者が困っているときこそ普段出会うことができないような有望な人材と出会うチャンスです。
また、例えばM&A。
前述したように、今後更に倒産の危機に瀕する会社が多くなる可能性が高い。
しかし、逆に考えれば技術力や顧客基盤はあるが資金繰りに行き詰っている会社を安く買う絶好のチャンスです。
100%買わなくても、一部資本を支援する形での業務提携や、信用支援と併せた業務提携など、相手が困っているこのような時こそ普段ならできない話を有望な会社とすることができるチャンスとも言えます。
私ならそうします。
実際、私の指導先の社長にもそうした経営助言を行っています。
ただ残念なことに、こうした危機の時に余裕を持って良い買い物や商談をすることができる会社は少ない。
多くは目先の対応に追われ、何をすべきかどうすべきか悩んでいるのが現実の姿ではないでしょうか。
持続化給付金、雇用調整助成金、地代家賃助成金。
政府は様々な支援策を打ち出しています。
納税者としてご支援頂けるもはしっかりと頂くことは大切。
しかし、経営者としてより大切なのは、コロナ危機により経営危機を招いてしまったこれまでの経営姿勢に対する反省と経営体質の改善です。
人件費、地代家賃、借入元利金返済。
この三つは社長が決めた事、そして社長しか責任を取れない事です。
今回のコロナ危機を損益分岐点を低くして借入金を減らす絶好のチャンスにするのです。
・人情に厚くお人好しの社長ほど人件費の問題が深刻。
・売上高成長と規模の拡大に傾倒して、資金と利益の管理に甘い社長ほど地代家賃と借入金の問題が深刻。
これは、私の過去の経験から言える傾向です。
手を付けたくても手を付けれない理由は色々あると思います。
しかし、やれない言い訳はいくらでもできる。
変わることがなかなかできない社長にお聞きしたい。
・社員が自宅やカフェで仕事する流れが広がる一方で、これからも立派な本社社屋や事務所が本当に必要でしょうか?
・若者の帰属意識の希薄化と個の尊厳が広がる一方で、果たして年功序列と終身雇用型の人事給与制度のままでいいのでしょうか?
・社員が働く場所と時間の自由を得る一方で、会社はこれまでのように成果に関わらず固定給を支払いベースアップし続けるべきなのでしょうか?
・社員は会社を辞める自由がある一方で、会社は雇用確保と法定福利の義務を課され続けるが果たしてフェアと言えるでしょうか?
テレワークや在宅ワーク、人間一度自由を味わえばもう意識は元に戻らない。
ノマドワーカーの出現、フリーランスの社会的地位の定着、副業の解禁・・・。
若者は働き方の多様化を模索しつつ、今の会社をステップにして将来を夢見ています。
その一方で、中高年以上は無事退職金をもらってリタイアする日を指折り数えています。
会社も時代の流れに応じて変わらなければなりません。
経営者は時代の流れに先んじて変わらなければなりません。
・正規雇用と非正規雇用と言った画一的発想と硬直的な雇用制度。
・年功序列と終身雇用を前提にした閉鎖的な職能資格制度。
・見栄えする建物ありきの営業展開。
・銀行借り入れありきの事業展開。
心労多く資金負担が重い割には実利が乏しい昔ながらの経営をいつまで続けますか?
・雇用形態の多様化と実力主義の人事給与制度。
・進化した持たざる経営。
・実質無借金のレバレッジ経営。
中小企業が目指す方向はこの三つです。
今回のコロナによる経営危機でお悩みの社長及び後継者の皆様。
変わらなければならない、変わりたいと願う社長及び後継者の皆様。
アフターコロナの世界を見据えた社長及び後継者の皆様。
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