「ONE TEAM」
今年の流行語大賞はこの言葉に決まりましたね。
史上初ワールドカップベスト8の功績を挙げたラグビー日本代表選手とコーチの皆さんが教えてくれました。
勝つために最も重要な要素とは「ONE TEAM」であるということを。
私はこの言葉が選手の皆さんの勇姿と共に多くの人々に刻まれたことに、一人の人間として喜びと誇りを感じずにはいられませんでした。
しかしその一方で、一体どれだけの人がONE TEAMの本当の意味を知って共感しているのだろうかと疑問に思ってしまいました。
現代日本人がイメージする従来の「和」精神とは似て似つかない、真逆の精神であることをわかって共感しているのだろうかという疑問です。
ラグビー日本代表が言っているONE TEAMとは、
・史上初ベスト8以上という高い目標を掲げ
(前例主義ではない)
・結果を出す為に多様性を尊重した国際色豊かなメンバーを揃え
(単一民族・単一価値観の金太郎あめ組織ではない)
・世界で一番厳しいと自負できるハードワークをこなし
(政府や規制産業でやっているような生ぬるい働き方改革ではない)
・実力主義で選りすぐりのメンバーを配置し
(年功序列や人情や縁故血縁ではない)
・試合登録メンバーから外れた選手もチームの勝利の為に貢献し
(妬みと言った弱い心をのり越える心の強さ)
・目標達成の為に多くを犠牲にして打ち込む姿勢から生まれた真のチームワーク
(何かを得るために何かを捨てる勇気)
私はそう理解しています。
私は経営改革の現場にて、この精神性を「一致団結」という言葉で表現しています。
秩序を乱さないことを目的とした和であっては改革はできず何も進歩しない。
必要なのは、結果を出す為に和を乱すことを恐れず「生産性と収益性の向上」&「選択と集中」及び適切なリスクテイク」を実行する事です。
経営改革とはその戦略や手法がいくら優れていても、それを運用する経営トップの価値観と社風が変わらなければ結果を出す事はできません。
一般的に歴史や文化に根差した価値観や社風が変わるには、世代交代を経るなど長い年月がかかると考えられています。
確かに短期間で価値観や社風が大きく変わるのは相当に難しいことであるのは事実です。
しかし私は、(組織であればなおさら)それは可能であることを知っています。
事実、日本ラグビー代表の選手とコーチの皆さんがそれを示してくれました。
勝たなければやられるという切羽詰まった状況、
黒字にしなければ倒産してしまうと言った切羽詰まった状況、
或いは、絶対に成功しなければ気がおさまらないと言ったような過去における過酷な体験など。
きっかけは何でもいい。
本気で目標達成したいと思う気持ち、
本気で勝ちたいと思う気持ち、
変わらなければ生き残れないという真剣な気持ち。
この思いがマックスに達し、何かを得るために何かを犠牲にする覚悟ができれば人と組織は変われます。
不退転の決意で挑めば、不可能と思えるようなことでも可能にすることができます。
経営の問題でお悩みの社長及び後継者の皆様。
このコラムを読んで何か少しでも思うものががあれば遠慮なくご一報ください。
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