V字回復の勘所その八十四:
「毎月の会議で、何か一つ以上「改善提案」を行うように指導することで改善意識が根付きます。」

「主因は内にあり」

他責にせず、自らの至らなさを反省するところに
人間の成長があります。

V字回復コンサルタントの李です。

V字回復の勘所を連載しています。
今日のテーマは・・・

「毎月の会議で、何か一つ以上「改善提案」を行うように指導することで改善意識が根付きます。」

とある指導先で実際にあった話です。

赤字から脱却してV字回復すべく、
総務経理の皆さんは、固定費(人件費除く)7%、
総額1300万円の削減の目標を掲げて改善に取り組みました。

結論から申し上げると、
固定費(人件費除く)を前年比「7.8%」、
総額「1400万円」強の削減に成功しました。

削減額が最も大きかったのは、「資本提携解消」に伴う各種費用の削減です。
社長の決断により、予定通り年間「1600万円」強の削減に成功しました。

次に大きかったのは、「販売費」の削減です。
改善策に掲げた無駄なCMや電柱看板や使っていないネット上の販売システムなどを止めて、コストの安いネット広告やポスティングの強化に切り替えていった結果、前年比「690万円」の削減に成功しました。

後は、その他もろもろの「管理費」の削減です。
通信費、諸会費、リース料、水道光熱費等、
総額で前年比「110万円」の削減に成功しました。

削減額110万円と言う数字は、
私からすればまったく物足りませんでしたが、
指導前の意識からすれば一歩前進したと言えました。

ともかく改善意識を根付かせるために、
毎月の総務経理との個別ミーティングでは
何か一つ以上「改善提案」を行うように指導しました。

これまでは、ただ伝票を起票して
会計ソフトに打ち込んで集計するだけだった皆さんが、

これを機に意識して無駄を拾うようになり、
毎月何か探し出しては改善提案を紙に書いて
提出するようになりました。

その提案を切り口に、
更に分析を進めて芋づる式に問題を引き出して行きました。

発見した問題は、
総務係長が改善提案をまとめて業績検討会で発表します。

この流れを作って次々と固定費を削減していったのです。