V字回復の勘所その八十三:
「一点突破全面展開という言葉がありますが、一番問題の店舗の再建に成功することで、V字回復の大きな流れを作ることができます。」


皆さんこんにちは!
V字回復コンサルタントの李です。

いや~寒波が厳しかったですね。
そんな吹雪の中、マンション入り口の壁にてんとう虫が!
小さな体で風雪に耐える姿が、とてもいじらしく思えました。

V字回復の勘所を連載しています。
今日のテーマは・・・

「一点突破全面展開という言葉がありますが、一番問題の店舗の再建に成功することで、V字回復の大きな流れを作ることができます。」

とある指導先で実際にあった話です。
前年大赤字で、一度は閉鎖を検討された店舗がありました。

経営診断調査を行った結果、
営業と施工に強い新たな店長を据えれば
再生可能であると判断しました。

そこで体制を新たにし、
目標営業利益1200万円に向けた闘いがスタートしました。

期中、新たな店長を先頭に
皆さん力を合わせてよく闘いました。

しかし、今期完成引渡しの契約タイムリミットである11月の初旬、
計画に対して受注が一棟足りず、
約「500万円」の利益が不足していました。

しかし、ここであきらめるわけにはいきません。
店舗の全社員を集めて店舗会議を行い、
残目標に対する対策を検討しました。

まずは、受注した物件を確実に今期中に引き渡す事が大前提です。
その上で、決算までに何ができるのかを全員で考えました。

一、販売用土地2区画の期中販売:予想粗利益420万円。

二、ご契約済み客T様へのカップボード提案販売:予想粗利益10万円。

三、OB客S様への太陽光発電の提案販売:予想粗利益20万円。

四、OB客M様へのトイレリフォームの提案完工:予想粗利益18万円。

合計予想粗利益:468万円。

この四つの対策に、すべてを賭けました。
そして、懸命に努力すること四ヵ月。

決算を間近に控えた3月初旬の営業利益の決算予測は1170万円。
目標営業利益1200万円まで、「後30万円」まで詰めることができました。

しかし、後30万円足りません。
1円でも足りなければ目標は未達です。

ところが、本気で努力する者には
予期しない追い風が吹くこともあるものです。

当初想定していたよりも原価率が改善し、
締めてみれば「営業利益1236万円」。

見事に目標利益1200万円を達成したのでした。

この店舗の奮闘ぶりは、
他の店舗にも良い波及効果をもたらしました。

新米店長には負けられないと、
ベテラン店長たちの「競争意識」に火が付いたのです。

このように、一番問題であった店舗の再建に成功することで、
V字回復の大きな流れを作ることができました。

まさに「一点突破全面展開」の様相でした。