V字回復の勘所その五十一:
「固定費削減は自己変革のバロメーターである。」

皆さんこんにちは!
日曜日はいかがお過ごしでしたか?

昨日は、午前から温泉でまったりくつろぎ、
フル充電で月曜の朝を迎えた
V字回復コンサルタントの李です。

V字回復の勘所を連載しています。
今日のテーマは、

「固定費削減は自己変革のバロメーターである。」

です。

とある会社の経営診断調査を行った時の話です。

固定費の分析を進めると、
営業社員が使うガソリン代に問題がある事が分かりました。

会社は営業社員の自家用車を車輌借上げして、
営業社員は所定のガソリンスタンドで
使った分給油していましたが、
実態を調べると「公私混合して使い放題」の状況でした。

ガソリン代に上限もなければ
管理もされていないことをいいことに、
家族全員の車のガソリンまで入れている者もいました。

こうした公私混合と無駄遣いは
見過ごすわけにはいきませんでした。

改善策として各社員に一旦ガソリン代を立替えてもらい、
月末に書類を提出して清算する
「申告清算制度」に切り替えることにしました。

この問題は、以前から
営業社員以外の社員の間では問題視されていたようでした。

にもかかわらず今まで変わらなかったのはなぜか。
それは、「役員も公私混合」していたからです。

ガソリン代に対する管理を導入すれば、
役員自身も今までのように使い放題できなくなる為に
「黙殺」され続けていたのです。

したがって、
この問題の改善に関しては、役員達とひと悶着がありました。

このガソリン代に限ったことではなく、
削減を進めれば進めるほど最後に立ちはだかるのが
社長と役員がらみの「聖域」と呼ばれる費用の無駄でした。

調査が進むにつれ、社長や役員の無駄が許されるならば、
自分たちもそこまで切り詰めてやる必要はない
という態度に出ていることも分かってきました。

これが、固定費削減における一番の障壁です。

私は、「固定費削減は自己変革のバロメーターである」
と良く言っていますが、まさにこの事なのです。