V字回復の勘所その二十:
「売上発想から資金発想へ。」

皆さんこんにちは!
V字回復コンサルタントの李です。

V字回復の勘所を連載しています。
今日のテーマは、

「売上発想から資金発想へ」

です。

目標損益計算書を作成する際、
先に売上高を決めてから
営業利益を算出するやり方を「売上発想」と言います。

多くの会社は、
売上発想で目標損益計算書を作成しています。

一方、これとは逆に、

先に必要資金を決めてから営業利益逆算して
売上高を算出するやり方を「資金発想」と言います。

V字回復損益計算書は、この資金発想で作成します。

売上高発想と資金発想の一番の違いは「根拠の明確性」です。

売上高発想で作られた目標損益計算書の根拠は曖昧で、
突き詰めて問えば問うほど疑問が生じて
納得性に欠けることが露呈します。

根拠の納得性が乏しいため、
高い目標を掲げるほど社員の賛同を得ることが難しく、
社長の独りよがりになってしまっているケースが多い。

しかし、資金発想で作られたV字回復損益計算書には、
必要資金の計算に基づいた明確な根拠が存在します。

その為、高い目標であっても
V字回復と企業の永続的発展に必要な事だと社員が理解できるので、
目標に向けて一丸となって取り組むことができます。

ゴールは売上高ではなく「資金」です。
資金から物事を考えれば、
自然と営業利益を重要視する経営が行われます。

すると、利益を上げるために「コストを下げて売上高を伸ばす」という
経営の基本マインドに沿って経営判断するようになり、
利益がV字回復へと向かいます。

また、資金から物事を考えれば、
あらゆる資金(現金預金、売上債権、在庫、固定資産など)を
効率的に活用することを考え始めます。

すると、ますます資金が増えて財務の健全化します。
これを、専門用語で「キャッシュフロー経営」と言います。