V字回復の勘所その十:
「経営とは環境対応業です。環境変化に適応できない経営者の会社は時代の波にのまれてしまうのです。」

皆さんこんにちは!
V字回復コンサルタントの李です。

V字回復の勘所を連載しています。
今日のテーマは、

「経営とは環境対応業です。環境変化に適応できない経営者の会社は時代の波にのまれてしまうのです。」

です。

売上至上主義とは、
売上高に偏り経営バランスを欠いた考え方を指します。

これは、
経済が右肩上がりの時代に育った
団塊の世代の社長に多く見られます。

戦後日本経済は成長を続け、
すべての国民がその恩恵を受けることができました。

特に建設業は莫大な公共投資もあり、
相当の恩恵を受けてきた業種の一つです。

そのような特殊な環境においては、
受注を取ることさえ考えていれば済みました。

・損失を出しても売上げでカバーできる。

・コストが上昇しても売上げでカバーできる。

・出店すればするほど売上げが拡大していく。

ところが、
日本経済の成長期はバブル崩壊と共に終焉を迎え、
経済はデフレに突入しましたが、

多くの団塊世代の社長は
考え方を変えることはできませんでした。

経済成長の中で生まれて育った者が、
デフレをイメージする事は容易ではありません。

景気の後退は一時的で、
また景気が良くなる時が来ると信じて疑わなかったのです。

経営者の考え方と会社のシステムが、
右肩上がりを前提にできていますので、
年々コストと借金だけは増えていきます。

これを何とかしようと、
過去と同じ考え方とやり方で
売上高に執着すればどうなるか。

「どうにもならない状況に陥る」のです。

それは、歳出と借金を毎年増やしながら、
成長戦略を叫んで改革が進まない
この国の縮図のようなものです。

問題は二つ。

一つは、「コスト削減と経営改革ができない」事と、
もう一つは、若い世代のターゲット顧客層と
年齢も感性も大きく乖離してしまい、
「受注を取ることができない」事です。

この罠にはまって、
売上も上がらずコストも下がらず、
倒産に追い込まれた会社は多い。

経営とは、「環境対応業」です。
環境変化に適応できない会社は、
時代の波にのまれてしまうのです。